『人格否定の発言』というのは相手の内面的な部分である
- 考え方
- 価値観
- モノの見方
を否定としか受け取ることができない発言をすることです。
相手に人格否定ををされていると受け取られると本当に会話が成立しないし、人格否定の発言をしてしまう人にとってもいいことはありません。
- 相手も成長しないし、
- 存在価値を失わせるし
- ネガティブなラベルを貼ってしまうし
なので、人格否定をするような言葉は、ビジネスの現場や恋愛、夫婦関係・・色んな人間関係においてもしないほうがいい発言ですよね。
ですが、世の中にはあなたを含めてたくさん「人格否定をされた」と受け止め悩んでいる人がいます。
なぜ人格否定な発言が減らないのか?というのも、人格否定をしている側の人は人格否定しているとは認識をしていないからです。
そこでここでは、代表的な人格否定をされたエピソードをもとに
- 人格否定というのは一体どういう時にしてしまうのか?
- 人格否定をしてしまう人が考えるべきこと、人格否定だと受け取る必要がない理由
を含めて人格否定について網羅的に解説をしていきます。
人格否定と認識されがちな12の発言
その1. お前はロボットのように俺の言うことを聞けばいいんだ!
- 相手 男(職場の上司)
- 自分 男
私が夜中に職場で残業してデスクワークの仕事をしている時に、
上司が私のところにやってきて
「その仕事を途中で中断していいから、これを買ってきて」
とメモを渡された。
私が
「もう少しでこの書類を書き終えるので、ちょっと待って下さい」
と言って仕事の続きをしようとしたら、急にその上司が怒りだして
「いいから言われた通りにしろ」
と怒られた。
さすがに私も頭にきたのでムスッとした表情をすると、
「おまえはただロボットのように俺の言うことを聞いていればいいんだよ」
とその上司に言われてしまった。
その時にこの上司は、部下を人として全く扱っていないなと感じると共に、
この人の下では働いていても意味がないなと感じました。
その2. そう言うことを言うものではない。
- 相手 男(請負業務の発注先の担当者)
- 自分 男
私はあるショッピングモールのカート回収業務をしていた時の話です。
この業務は毎回数人のグループでそれぞれの担当部署を決めて行っていました。
あるとき、昼の担当者から遅番の平面担当は大変だよと言われました。
一通り部署を回ってきて、最後にシースールーのEVの回収場所に行ったときです。
そこにはカートが25個以上溜まっていたのです。
このような状態はモール始まって以来のことで、通常は溜まっていても5台くらいです。
翌々日に担当者にこのことを言いました。
私はある程度溜めてもいいとは思いますが、
全然見回らないのは請負業務にはなっていないと思ったからです。
私はこの担当者が当然何らかの手を打つだろうと思いました。
いくら若いといえ、一応責任者です。
その原因を究明し、今後はこのようなことがないようにする手を打つのだと思っていました。
しかしひとこと
「そう言うことを言うものではない!!」
と言って終わりでした。
私はこの担当者は管理監督者としては失格だと思いました。
その3. 車に興味のない男は男じゃない!
- 相手 男(職場の上司)
- 自分 男
社用車を私が運転し、上司とともに新規開拓営業を行っていた際に
運転中に自動車の話になりました。
上司は私よりも後から入社してきたこともあってコミュニケーションを取りたいのか
時計や眼鏡、スーツなど自分が持っているものの自慢話をしながら話してきました。
その際、私が自動車に興味がなく、プライベートで運転することはほとんどないことを話すと
「車に興味がない男は男じゃない」と言われ、
それから突然、自身の仕事の自慢話が始まりました。
その後も男はこうだ。という男性論みたいなのを語りながら、
私が仕事もできない人間かのような言い方など態度が一変しだしたのが、
きっかけで人格否定されたと感じるようになりました。
そして、人格否定がエスカレートし、暴力も振るわれるようになりました。
その4. お前がいつもヘラヘラしてるのにずっとムカついてたんだよ!
- 相手 男(職場の上司)
- 自分 男
営業職の職場でその上司の下で1年以上働いていました。
周囲の営業職の同僚や上司が、社内では他部署に敵意むき出しでギラギラした働き方をしている中、
私は営業職だからニコニコ温和に交渉して相手をコントロールするポリシーを持っていて、実際そのやり方で効果を出していたのでプライドを持っていました。
しかし、ある時 些細な仕事の意見の食い違いがあった時に上司が激昂して
「いつもいつもヘラヘラしやがって!お前がいつもヘラヘラしてるのにずっとムカついてたんだよ!やる気あるのか?」
と頭ごなしに言われてしまいました。
温和なスタンスで仕事を進めることに、私はプライドを持っていたので そのセリフを言われて、今まで生きてきた全人格を否定されたと感じてしばらく落ち込みました。
その5.仕事が立て込んでいるのでシフトに入っていないなら来ないでくれ
- 相手 女(アルバイト先の同僚)
- 自分 女
ケーキ屋でバイトをしていたときのことです。
シフト外で店に用事があって行ったら、
「仕事が立て込んでいるのでシフトに入っていないなら来ないでくれ!!」
と、睨まれながら言われました。
それから私は上司より上のオーナーの操作によりシフトにほとんど入れてもらえなくなりました。
(仕事はきちんとしていましたが、それ以外にもいじめを受けていたのです)
上司は他の人には気を使う優しい対応をしてましたが、この人は、私が怒鳴られているのをたまたま見て腰を抜かすほど驚いていたそうです。
でもその後、見下した態度をとるようになったのです。
他にも店のオーナーに用事があって電話したとき取次で上司が
「私も忙しいんですけど」と言ってきて、私を完全にばかにしていましたね。
この人は発達障害の気があって、物事を表面的にしか受け取れない、相手に共感できないように見えました。
オーナーも上司も異常な職場でした。
その6. あなたって幽霊みたい・・いるかいるかわからない。
- 相手 女(職場の上司)
- 自分 女
10代の時、初めてのアルバイト先で、挨拶の仕方がわからず小さな声で挨拶してしまった為に「幽霊みたい」と言われました。
挨拶がわからないから、いるのかいないのかわからないし、存在感がないということでした。
洗い物をしていた時には、水で洗っていたら「お湯で洗うって知らないの?常識だよ」と。
常識を知らないという意味で、「あなたのお母さんどんな人?どんなふうに育てられたんだろう」と言われたと受け取ってしまい、母まで常識がないと言われているようで悔しかったです。
挨拶の仕方や洗い方を教えるのではなく嫌味から入るところが、人格否定されているように感じました。
単純にやり方だけを伝えてくれればいいのに、傷つけるような言い方をわざとしているのかなと感じました。
その7. 最近の若い子はみんな嘘つきだから・・・
- 相手 女(職場の上司)
- 自分 女
新入社員として働いていた頃、慣れない仕事や人間関係のためか、体にじんましんが出てきてしまいました。
夜になると出てきて、朝には消えてしまうということが何日か続き、ついには頭から足先までびっしりとじんましんが出るようになりました。
目の上にも出て瞼が開かなくなり、顔が上手く動かせなくなってしまい、怖くなりやっと病院へ行こうと思いました。
朝にはいつも通り落ち着いて発疹も少なかったのですが、定時で帰って病院へ行きたいと上司に話したところ、
「最近の若い子は、皆 嘘つきだから。」
と言われました。
熱がないなら大丈夫よ、本当に大げさ、甘え過ぎと言われ人格否定されたように感じました。
信じてもらえない上にきついことを言われ、余計に参ってしまいました。
その8. あなたみたいな人は見たことがない。
- 相手 女(大手の数ある店舗のなかでの一つの店の店長)
- 自分 女
その日は大雪の日であらかじめ人手不足になってもいけないと思いながら早めに出勤しました。
時間より1時間早いが、入りの時間を1時間早くしていただけるとありがたい。
と話したときに言われた言葉が
「あなたが早く入っても役に立ちません。ただ時間がきて接客だけをしていればいい!あなたのような人はみたことがない。私の辞書にはない!」
「たとえ早く入っても、少し長く残業しても時間を延長して計算することはない」
と給与計算も関係のないはずの大手の数ある店舗のなかでの一つの店の店長が
その言葉を口にしただけではなく、それ以降話しかけようとしたときも
「話しかけないでほしい。同等にみられたくない。」
と言われた時に本当に人格否定されたのだと確信しました。
それはいまだに思い出すだけで涙が出てきてしまいます。
その9. 動作が遅い・・やる気あるの?
- 相手 女(職場の2つ上の先輩)
- 自分 女
接客業界に勤めていた時の新入社員研修のロールプレイングで、先輩とペアになり、私が店員役をしていた時でした。
商品を選びお勧めポイントを説明していると、
「ここまでどれだけ時間かかっているの、歩くのも遅いし動作が遅い、やる気あるの?」
と言われてしまいました。
とても緊張していて言葉がつかえたりテキパキはできませんでしたが、お客様役の先輩の歩くスピードに合わせたり、
慌ててミスをするより出来ることを丁寧にしょうと、お客様に寄り添う姿勢をみせつつもお勧めしたいことをしっかりと伝えられるような接客を心掛けていたので、
まるで何も考えずにロールプレイングに参加しているように見られていたことが、人格を否定されたようで悲しかったです。
その10. 口答えするなんて生意気よ!
- 相手 女(仕事の上司)
- 自分 女
私が制服のシャツの一番上のボタンを外していた時の事です。
夏の暑い日にとても窮屈で暑くて、思わずそうしてしまいました。
すると、私のすぐ目上の女性の上司がやってきて
「制服はきちんと着なさい!」と怒鳴ってきたのです。
しかし、夏の暑い最中で熱中症も騒がれていて、しかも水分も補給出来ない状況でそれは無いのでは?と思った私は
「暑くてどうしようもなくて」と話したら、
間髪入れずに
「口答えするなんて生意気よ!なんなのよ!あんた!」と理不尽な叫びが。
後日、後輩がシャツのボタンを二つも開けてうちわでパタパタやっていたのにも関わらずそちらは注意しないという上司に、人格を否定されているような気がした出来事でした。
その11. 今まであなたは学校で何を学んできたの?
- 相手 女(職場の先輩)
- 自分 女
当時勤務していた介護施設で入所者の所有物を間違えてしまうというミスをしたことがありました。
その時シフトが一緒だった60歳くらいの先輩から声をかけられたのですが、
気にしなくてもいいという励ましの内容でありながら途中から
学校で何を学んできたのか、
ということを言われました。そのことを聞いて私は学校では勉強もせず、
何の知識もない役立たずの人間にしか感じられていないのだと思って怒りを覚えました。
またその場には多くの先輩や後輩がいたことから皆がその言葉を聞いていて、
その後職場では私のことを何も知らないやつだということでからかう人もいました。
そのようなことから励ましていたとは言いつつも完全に人格を否定されたのだと思いました。
その12. あなたといると息苦しい。
- 相手 女(元恋人)
- 自分 男
あなたといると息苦しい
別れ際に言われた言葉です。
彼女は太っていて体型の管理ができない人でした。
私はそれまでも度々、やんわりと痩せるように促してきましたが、
本人はあまり危機感がなくいつまでも体型は変わりません。
それどころか日に日に太っていく様子があります。
私はそれがすごく嫌でした。
ある日、そんな不満が募り本人に正直に伝えました。
すると、
『痩せられないのはあなたのために痩せたいと思えないから。
あなたといると息苦しい。別れよう。』
と切り出されました。
自分が痩せられない意志の弱さを私のせいにして、別れを切り出されたのです。
そして息苦しいとまで言われ、私は自分自身を否定されたような気持ちになりました。
もちろん、別れ話は受け入れてさよならしました。
人格否定をする人はロジックがないから人格を否定してしまう。
ここまでありとあらゆる人格否定をする人達の事例を紹介してきましたが、主に人格否定というのは
- その人そのものに対する否定
- その人の生きてきた人生に対する否定
- 事実から意図を勝手に決めつけた不定
のパターンが多いですね。
そして、相手が上司のパターンも結構多いみたいです。
じつは、ブラック企業になってしまっている中小企業に外部から関わったことが数回あるのですが、人格否定をしてる本人は人格否定をしているつもりがないんです。
本当はその人格否定をしている人間が、同じように「人格否定をされた!」と感じる発言をされた時に、ひょっとして自分も同じような発言してるかも?と気づいてやめればいいのですが(汗)
ただ、人格否定をしがちな人というのは、自分が相手に伝えたいことを素直に伝えられられず、ロジックがない不器用な人が多いです。
「最近の若い子は嘘つきが多いから。」
とかは完全にロジック(論理)がないですよね。
「確かにそうやってみたらそう見えるかも!?」
みたいに思わせられもしれませんが、
最近の若い子を何人みたの?って話です。
全員がほんとうにそうとは限りません。
逆に嘘をつかせる環境に問題があるかもしれませんしね。
また、
「動作が遅い!やる気あるの?」
もそうですよね。
動作が遅いのとやる気は必ずしも関係しているわけではありません。
それならばやる気出させればいいわけだし、やる気あるの!とやる気を余計に削いでも仕方ないじゃないですか(笑)
そんなことを言うのならば
「動作がどうすればはやくなるのか?」
を考えたほうが得策です。
また、
「口答えするなんて生意気よ!」
も、そもそも論点がズレていますよね。
口答えをしているのではなく、ただ単に自分の主張をしただけですし、それならば「私は自分の言う通りに動いて欲しい。否定されるのはいやなの!」と素直にいったほうがましです。
「仕方ないなぁ」
と少なからずはおもえまるから(笑)
このように、そもそも相手に人格否定をしているつもりはなくても結果的に人格否定だとこちらが感じてしまうのは、その相手がコミュニケーションのキャッチボールができていないのが一番大きな原因なんじゃないかと思います。
そうやって考えると・・
そんな人格否定をまともに聞く必要もないと思いませんか?
まともに受け止めてしまっている時点で自分を苦しめているだけなのかもしれませんから、人格否定だと受け止めず
- あなたからコミュニケーションをとるか
- 相手にしないか
のどちらかでいいと思います。
というのも、あなたが人格否定だと受け取っているのは、ある意味で相手とのコミュニケーションを諦めてるってことですから。
だから、もし人格否定をされるのならば
- 不器用な人なんだなとあきらめてやるべきことに集中する。
- あなたからコミュニケーションをとっていく。
この2つのどちらからやるしかないと思います。
相手にロジックがないのですからロジックに一緒にしていく形です。
「最近の若い子は嘘つきが多い」
→そうなんですか?やっぱり1万人くらいの若い子と接してみたけどみんな嘘つきだったんですかね?
「動作が遅い、やる気があるの?」
→動作の遅さとやる気のなさって関係しているのですか?動作が遅いのは単純にどうやって効率化すればいいのかわからないだけなのかと思ってましたが・・
ただ、確かにコミュニケーションをとると言っても、めんどくさいっちゃめんどくさいので、そういった人がいる会社でうまくやっていくためなら、体裁上は言うことを聞いておいてまともに相手をしないのが最もいいかもしれませんね。